1月某日 新宿末廣亭 寿正月二之席 夜の部

1月某日 新宿末廣亭
17時開演 桟敷にて

用事済ませ…
疲れてるでしょ、家帰ろう
実は末廣行きたいでしょ
…と心の葛藤から、放蕩な自分が末廣に行け!と
いうので行っちゃいましたよ
→プロフェッショナル小三治へ!


こみち 狸の恩返し
狸を助けた男が、助けた狸が借金で支払わなければ
ならないお札に化けてくれる。
テンポのいいかわいらしい語りで。

アサダ二世 奇術
ステッキとトランプの手品。
最前列のお客にトランプを引いてもらうが、
この客常連さんの様子。めちゃくちゃトランプを切る。
挙げ句はわざとか、アサダさんはそのカードを見つけられず、
解説書なるものを読み、手順を復習、解説書を広げると
そのカードと同じ柄が出てくる。鮮やか!
伊藤夢葉さん代演。
しかし後から、客席はこの最前列の常連さんのKYな行動に
悩まされる…

さん吉 千早ふる
業平の句の意味を聞きに来る長屋の衆に知ったかぶりする
先生…
やや野暮ったい口調だが大詰めは笑わせられる。

志ん五 浮世床
床屋での待ち合いで、太閤記の姉川の合戦あたりの朗読を
聞くが、朗読をする男が噛んだり、たどたどしく…
浮世床の一部でしょうか。
ムカツテムカツテ(向かって)~ムカついてるらしいぞ。
姉さん姉さん~姉川だろ。
…とかしどろもどろさがなんとも言えない(笑)

円丈 冗談言っちゃいけない?
ルー大柴のような外来語を使う男が外国の友人が
送ってきたファックスの訳を頼まれるが…
マクラの低調さから、話に入ると、いきなり威勢良く。
円丈さんのパワー恐るべし。

元九郎 つがる三味線
青森訛りで話す姿と、津軽三味線を弾く姿のギャップが
なんとも言えない。
津軽三味線は弾くというより、叩いているような弾き方に
感じた。
最前列の常連さんが妙な質問で参ります。元九郎さん、
うまくかわす。小菊さん代演。

はん治 居酒屋
初めてのお店に入る客と、その客に惑わされる店の大将。
はん治さんがまた居酒屋にいそうなそそっかしい客ぶりで
楽しい。

権太楼 代書屋
履歴書代筆での代筆屋と依頼者のとんちんかんなやりとり。
マクラで夫婦は同じ趣味がいい、寄席はいいですよ、帰りに
あいつ相変わらず下手だなと言い合ったり。権太楼さんは
競馬研究が趣味…奥さまとは合わず。久しぶりに拝見し、
ジワな笑いでやはり圧倒される、自分は権さまの語りが
好きなのを再認識。
代書屋へ。
履歴書をデレキ書とか
名前をヒデキという依頼者…名字はユカワと。
代書屋が同性同名の方はノーベル賞だよと言うが、
依頼者は俺この間天皇賞取ったあーと。
権太楼さんの十八番代書屋を初めて聞きました。

金馬 動物園
楽して稼げると聞き、動物園のライオンを演じる男。
ライオンの歩みを金馬さんがやるのが見れて驚いた。
体を柔らかく動かせるから、まだ元気だ。
金馬さんは寄席ではよくやるネタらしいが…
金馬さんでは初めて聞きましたいや見ました。

ホームラン 漫才
のいるこいるさんの代演。
ツッコミの方がウド鈴木さんを老けさせたような感じで
口調強く引っ張る。
北島三郎さんの加賀の女がいつの間にか函館の女に
なってしまうカラオケ番組ネタを。

川柳 ガーコン
戦中戦後歌謡史を歌いあげる♪
喜寿を迎え、四十年同じネタを繰り返す。また聞いてる方も
寄席名物みたいで飽きないから、もう古典の域か?
最前列常連さん、逆に川柳さんにあまり笑ってない
じゃないか~といじられる。

伯楽 肥え甕
兄貴分が転宅し、弟分がお祝いを持参する。
祝いは道具屋で安く買った肥え甕だった。
なにも知らない兄貴分夫婦がごちそうをしてくれるが、
その甕からだと思うと口にできず。
マクラでべらぼう目は職人が使うのりをこねるための
ヘラ棒から来たとか、江戸都市開発の際、大久保彦左衛門が
江戸っ子と名乗れと職人に言ったなど江戸と職人のつながりを
語る。
渋い聞かせる口調でした。
円蔵さん代演。

中入り

太神楽連中 寿獅子
いわゆる獅子舞。
獅子を被りお祓いをしたり、勇壮に舞う。
見ながら、六代目菊五郎はこういう獅子舞も鏡獅子の
参考にしたんじゃないかと思ったり~

一朝 湯屋番
居候の若旦那が湯屋に勤めに行くが。
一朝さんの妄想若旦那がかわいらしく、湯屋で知り合ったと
妄想ふける若旦那と芸者の逢わせが楽しい。
芸者の姿も艶がある。聞いてる方も妄想しちゃう。
過日の芝居の喧嘩といい、一之輔さんの師匠でもあるので
最近気になる咄家です。

小袁治 紀州
登城の際、鍛冶屋の鉄を叩く音がテンカトルぅという聞こえ、
八代将軍は俺だと思うと尾張公、しかし~
少ない仕草ながら、丁寧な語り口。
じっくり“きしゅー”と聞かせます。

志ん駒 バレはなし
自衛隊から志ん生、志ん朝に従事した入門時代の話や、
海上自衛隊の敬礼など披露する。
噺がまさに本のタイトルにあるよってたかって志ん朝みたい。
最前列常連さんには、私には(ツッコミ)いいが、トリには
しないようにとやんわり釘をさす。

正楽 紙切り
羽根つき、七福神、つる、節分
わずかな時間で切り抜くのはさすが鮮やか。
七福神だけ手間取ってましたが。
最前列常連さん、羽根つきもらって、妻のプレゼントにしますと
また浮く。

小三治 うどんや
初席の話をマクラに…
浅草演芸ホールの商魂を…ぎりぎりになるまで人を入れ、
気分悪くなった客がいても救急隊が入れなかったとか、
暖房をガンガンかけ「暑い」と人の入替展開を早くするとか、
舞台に飾るお飾りが暖房の影響でかびたり、飾りの海老から
異臭がただよったり…と。
落語芸術協会と落語協会…あっちは芸術なんですね~と。
辛口全開でした~

紙屑屋について語り、江戸の街では紙屑屋に引き取って
もらうのは世間体悪く小声で読んだらしい。
おっ井戸の茶碗かまさからくだ?と思ったら…
くずぃ~という掛け声から、そばぁい~とそば屋の話から
うどんの話へ。
江戸の人にはうどんはあまり好かれない食だったと語り、
そばぁい~は粋な掛け声だが…と、鍋焼きぃうどぉん~と
うどんやへ。
まさか紙屑屋の話で客の反応を見て、井戸の茶碗や
らくだまたはうどんやと秤にかけたのかもしれない
(考えすぎか)。

寒い夜空に往来を歩くうどんやの受難…
近所の子供の祝言で酔っぱらう男に絡まれる、
何度も同じことを呟く酔っぱらい、うどんを食べてもらいたい
うどんやの愛想が楽しい。
掛け声すれば、子供が寝付いたからだまって~と言われたり。
大店から奉公人が小声でうどんやを呼ぶ。奉公人が食べて
くれるとの期待と、熱さをこらえてじっくりうどんをすする
奉公人の様子が寒い夜空を思わす雰囲気。
うどんをすする姿はあまり音を立てないやり方、奉公人が
番頭に怒られないように、他の奉公人にばれないように
ということか。

鍋焼きぃうどぉん~という寒さが痛いように感じる表情や、
江戸の街並みや暗い寒い夜道が見えるよう。
うどんやに酔っぱらい、奉公人とキャラにとぼけた風や
生活感や哀愁みたいな愛くるしく思える。

歌舞伎の入谷の直次郎が食べるそばみたいに、
ちょっと一杯にうどんが食べたくなる心持ちになった。

小三治師匠また聞きたい。
そのために今年は方々会場へ足を運びたい。(おい!)

小三治師匠をはじめ、今の水準をしるすそうそうたる、
まさにおせちのようなメンバーばかりで聞き応えあり
満腹な至福な時でした。

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