9月23日 またとない「沼津」

9月23日
国立小劇場 後方席

人形浄瑠璃文楽
平成21年9月公演
第二部

一、伊賀越道中双六 沼津の段

竹本綱大夫
鶴澤清二郎 鶴澤清馗

竹本住大夫
野澤錦糸 豊澤龍爾

呉服屋十兵衛 吉田簑助
平作 桐竹勘十郎
お米 桐竹紋寿
池添孫八 吉田清五郎
荷持安兵衛 吉田玉誉

二、艶容女舞衣 酒屋の段

豊竹英大夫 竹澤団七

豊竹嶋大夫 鶴澤清友

お園 吉田文雀
宗岸 吉田玉女
半兵衛 吉田玉輝
半兵衛女房 桐竹勘寿
半七 吉田一輔
三勝 吉田清三郎
丁稚 吉田玉勢
お通 桐竹勘次郎
五人組の頭 吉田簑次

「沼津」は街道で偶然会った呉服屋十兵衛と
雲助の平作…実は親子であり又、恩ある主が互いに
敵同士という皮肉な親子愛。

綱大夫さんから住大夫さんへの語りのリレーに、
簑助さんや勘十郎さん、紋寿さんの人形と
それに三味線加わりまさに三位一体の舞台を堪能した。

情があり手強い綱大夫さんの語り、
そして住大夫さんの情愛にまさに空気のような
自然で説得力ある語りっぴりに…
“またとない”…
本当に舞台は一瞬ではかなくナマモノであることを
再認識させられた。

簑助さんの柔らかい十兵衛と、渋味ある勘十郎さんの
平作という師弟の人形遣いに、貧苦の中の杜若という
詞が合う紋寿さんのお米の遣いと見応え聞き応えある
一幕だった。

「酒屋」は「今頃半七さん~」という詞は聞いたことある
ものの、歌舞伎でも文楽でも見たことがなく初めて
見ました。

半七はお園という女房がいながら、三勝という芸者に
入れあげ子をなす又人殺しまでしてしまう。
お園は半七宅(酒屋)に父宗岸と訪れ、半七父母と
相談するが、半七と三勝は子を預け心中に向かう。
お園は未来で夫婦にを支えに酒屋を守る。

どこか橋田寿賀子風な家族を描いた雰囲気であるが、
嫁姑、不倫に妊娠、勘当とあまりに過酷すぎる家族の話。

やはり嶋大夫さんの艶のある語りに、文雀さん遣うお園の
独壇場になる。
見ながら聞きながら、あまり人形に動き少なく、お園と
その家族たちの心情を想像しながら、この話は
「聞くものではないか」と感じた。
歌舞伎に出ないのも、お園に宗岸、半兵衛夫婦、
半七と三勝とそれぞれのキャラが揃わないとできないの
だろう。

嶋大夫さんの語りが良かったので、本当は沼津が欲しかった
のだが、住大夫さんが語る酒屋のCDを買いました。

沼津に酒屋…
こってりな演目でやや寝落ちたが、またとない語りが聞けて
満足です。

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