25年1月) 平成24年4月の観劇録

平成24年4月の観劇について…

平成24年4月5日 
萬歳楽座「安宅」(国立能楽堂 脇正面)

藤田六郎兵衛さんが主宰する一級の能楽師や囃子方を
集めた一大イベント。
仕事都合で安宅だけ見に行く。
ご存知歌舞伎で言う勧進帳の元になった演目である。
歌舞伎は義経を守る弁慶の姿を見た富樫が情で関を通すが
能は弁慶の威嚇と凄みで富樫を圧倒させて関を通るよう。
山伏の数も多く、多勢無勢という感じもした。
観世宗家の弁慶で延年の舞はやはり魅せる。義経は子方。
富樫は宝生閑さんで静なる重み。山本東次郎さんの強力が
義経一行を先導し愛嬌ある。
萬歳楽座は見続けたい。



平成24年4月11日 「王女メディア」
(世田谷パブリックシアター 1階上手)

平幹二朗さん見たさに足を運ぶ。
古代ギリシャの世界、夫に愛人ができたため捨てられた
メディアの復讐を描く。
出演者が平さんを含め全員男性で、平さんがメディアを
演じるとともにほかの男優も女性を演じる。
平さん渾身のメディアで終始圧巻させられる。
夫というか男に裏切られた女の哀しみと怖さを出す。
女形ではないかと思わせるが、女形とは違うしたたかさ
があり、西洋が舞台なので女性の価値感が違うのかも
しれない。
平さんがメディアを演じるのはこれで最後らしい。
この方の舞台はまた見たい。
テレビ俳優でない舞台俳優の平幹二朗を堪能する。
亡くなった嵐徳三郎さんも得意としたお役で気になる。
内容が堅くてやや記憶のない時間もあったのは残念だ。



平成24年4月17日 宝塚月組東京特別公演
(東京宝塚劇場 18時半 2階席)

大好きだった霧矢大夢さんのサヨナラ公演。
これで宝塚熱も下がるかもしれない。
サヨナラ公演は「エドワード8世」と「霧の終着駅」で。
エドワード8世は王位でなく離婚歴ある女性との恋を
描く。
霧矢さんらしい解放的な雰囲気と上品さがあり、古き
外国映画を見ているような感覚になる。
サヨナラを意識した派手さもなく、霧矢さんが積み上げた
舞台歴を落ち着いて見送るよう。
「霧の終着駅」は列車で旅する男を主としたレビュー。
終着駅に見えるものはわかっているのだが、堂々という
よりさりげなく去っていく霧矢さんのようで、霧がやがて
幻となる。
霧矢さん世代と次世代の龍さんと明日海さんが離れて
いるので引っ張っていくのは大変だったと思う。
まずはゆっくり休んで、新たな舞台姿を見せてほしい。



平成24年4月26日 エンロン
(天王洲銀河劇場 18時半 1階席)

エンロン事件を扱った舞台。
天然ガス会社であったエンロンが、スキリングとファストゥの
経営戦略で多角化を図るが、実は不正取引と不正経理で
エンロンは米国の経済を揺るがす。
市村正親さんが演じるスキリングの野心ぶりがすざまじく
豊原功輔さんのファストゥが徐々に苦しくなっていく表情が
怖いし切なくなる。香寿たつきさんのクローディアがスキリング
に対する女性ライバルでキャリアウーマンの儚さを魅せる。
たかお鷹さんのエンロン社長が古怪。伊礼彼方さんや末次
美紗緒さんなど脇を固める。
明日でも見られる経済模様でこのような舞台は画期的で
ありながら、現実味あってコワイ。



平成24年4月29日 能「阿古屋松」
(国立能楽堂 13時開演 脇正面)

世阿弥自筆本からの能上演、最後の回は「阿古屋松」。
東北に残る松のことを描いた能。
藤原実方(森常好さん)が歌枕として阿古屋松を見に来る。
応対する老人(観世清和)であったが、やがて塩釜明神で
あって松について舞う。
580年ぶりの上演で模索しているような上演であったが、
震災で残った松の話もあったりして又、解説でもあったが
日本人が松を慕うということは何かにつながっていく。
(難しいが) 東北でも上演してほしい。
世阿弥自筆本と題し続けてみてきたが、能は妖精や霊、
神とメルヘンの世界と能楽師の方には失礼な表現ながら
感じたシリーズ公演だった。

24年5月に続く。

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