平成25年4月) 平成25年3月の観劇記録

先月の観劇記録です。

3月7日(木) 
うわの空藤志郎一座・「TOKYOてやんでい」
新宿タイニアイリス 19時半
ネット検索かなんかで映画化されるのを知り、
映画化に併せて再演をされるのを知り、足を運ぶ。
付き合っていた彼女に落語家になることを告げ
前座修業を努めてきた立花亭チャトラン。なかなか
前座から二つ目に上がれず(前座9年)、彼女と再会の日に
会うのを拒む。師匠の立花亭圓志がトリを務める寄席での
チャトランの不測事態多い寄席の仕切りぶりを描く。
なかなか来ない芸人たちに、無理に高座に上がろうと
するコスプレ席亭、取材しにくる雑誌記者、挙句は
再会しなかった彼女も楽屋に押しかけ…
春風亭昇太原案の芝居。
高座しか見られない我々観客が楽屋風景を覗くという
おかしさ。さまざまな芸人が行き来する。高座姿は見せない。
非日常的な世界でもあり、寄席では見られる風景なんだろうと。
座長である村木藤志郎さんの独楽芸人・手品師そして師匠の
圓志と3役の怪演ぶりが印象深い。雑誌記者に言い寄ったり、
独楽でなく自分が回る可笑しさの独楽芸人、入院中の病院から
やってくる手品師、そしてラストすべてを威圧する師匠の圓志。
チャトランの西村晋弥さんの軽妙な愛嬌、小栗由加さんの席亭の
ワンピースや悟空などのコスプレぶりなど小劇団ながら役者が
要所でインパクトを残していく。
これからもいろいろな舞台を見て行きたい劇団となった。
近藤正臣さんが見に来られていました。


3月9日(日) 三月花形歌舞伎 昼の部 
新橋演舞場 1階席下手
染五郎、松緑、菊之助という3枚看板を主の一座。
昼は菊之助さんのお三輪もさることながら、松緑さん活躍な
昼の部。
「妹背山女庭訓・三笠山御殿」は、蘇我入鹿討伐のために
血を流す若者たちの儚さを描く。
菊之助さんのお三輪は町屋のお嬢さんぶりでかわいらしく
藤原淡海に恋焦がれる一途な想いが伝わってくる。
恋成就の為なら官女の仕打ちも受けつつも受け入れるような
雰囲気。鱶七に刺され、淡海の為になるなら命をなげうっても
という心境が表情などでわかる。儚さもあるが、ラストはほっと
させられるよう。
豪快で入鹿に立ち向かう鱶七実は金輪五郎の松緑さんもいい。
彦三郎さんの入鹿、亀三郎さんの淡海、歌昇さんと萬太郎さんの
入鹿家臣、尾上右近さんの橘姫、橘太郎さん・菊市郎さんほかの
官女で。
「暗闇の丑松」は事情で添えなかった丑松とお米…お米を兄貴分に
預けるが…
松緑さんの丑松(初役)はお米を守りたい一心と、人殺めたことを
背負う衝動的な心持が若気の至りというか、自爆自棄的な感じ。
梅枝さんのお米が丑松を信じながら丑松の理解を得らねないまま
散っていく切なさが伝わる。
団蔵さんの四郎兵衛の危うさ、萬次郎さんのお熊の横暴、
橘太郎さんの三吉の小気味の良さなど印象残る。
昼は、亀三郎さんと亀寿さん兄弟や、歌昇さん、萬太郎さん、
廣松さん、廣太郎さんなど若手も出るが、やはり全体的に若い
一座ぶり。


三月花形歌舞伎 ル・テアトル銀座 17時開演
本来団十郎さんの「オセロー」だったが病気療養で変更、
海老蔵さんの中心とする花形歌舞伎へ。
海老蔵さんが亡くなった勘三郎さんを追善とのことで
「夏祭浪速鑑」と「高坏」を出す粋な計らい。
「夏祭」は住吉前から三婦内、長町裏そして屋根立ち回りまで。
海老蔵さんは団七とお辰をされる。団七は大阪の街を駆け巡る
どこかチンピラ風な若者ぶり。舅義平次(新蔵さん)との掛け合い
も成り行きゆえの殺害という感じ。お辰はやや年増風。硬さはあるが、
古怪で顔にやけどを自ら行う怖さや狂おしさを感じる。
亀鶴さんが一寸徳兵衛できっちり務め、市蔵さんの三婦や
右之助さんのおつぎが愛嬌と生活感ある。磯之丞は種之助さん、
琴浦は米吉さん。新蔵さんが義平次で渋さと厚みを感じる。
橘三郎さんが大鳥でもったいない。
屋根の立ち回りはコクーンでの夏祭初演を思い出させ、
海老蔵さんを通じて、勘三郎さんの姿や口跡を思い出す。
時折海老蔵さんへの物足りなさや、懐かしさも感じた。
「高坏」は松竹座時の海老蔵さん次郎冠者は気持ち悪かったが、
今回は軽妙に踊っている。市蔵さんの大名、亀鶴さんの高足売、
新十郎さんの太郎冠者。
団十郎さんと勘三郎さんの思い出話を繰り広げる海老蔵さんの
口上もつく。


3月13日(水) ホロビッツとの会話 
シアターBRAVA! 19時開演 2階席
三谷幸喜さんの脚本・演出、渡辺謙さん久しぶりの舞台出演という
芝居。
ピアニストのホロビッツとその妻と自宅で食事をとることになった
ピアノ調教師夫婦の受難を描く。
渡辺謙さんと和久井映見さんの調教師夫婦もさることながら、
段田安則さんのホロビッツの潔癖さと気位の高さ、高泉淳子さんの
ホロビッツ夫人の図々しさ・図太さの怪演ぶりが印象残す。
大阪まで見に行って良かったです。
夕方、大阪着。なんば回り、劇場へ。
近くではももクロがライブをしていた。
終演後は京都市内で飲んで京都泊。
翌朝早い新幹線で職場へ戻る。慌ただしいが気晴らしになる。
(年度末で迷惑かけました…すみません)


3月16日(土) 
猿翁・猿之助・中車襲名披露 三月大歌舞伎 夜の部
御園座 1階席
毎年10月の顔見世を主に足を運んだ御園座も建て替えで
現在の劇場は閉館となる。いつも2階後方列だったので
1階に座ったのは初めてかもしれない。
名古屋は小学生のころ住んでいたこともあって親しみある街。
なんで住んでいるときに御園座へ行かなかったのか。
顔見世はともかく故勘三郎さんの舞踊会での連獅子踊られた
後のじわのある拍手、改築後の御園座へ新潟でスキーをした後で
回って見に来たことや、マツケンサンバを見に行った松平健さん
特別公演など思い出す。
猿翁さんはあいにく休演。猿之助さんと中車さんを主の襲名披露。
夜は、右近さんと笑三郎さん・春猿さんの「娘七種」で襲名の露払い
的な祝典ぶりから。
中車さんと笑也さんの「ぢいさんばあさん」。中車さんの伊織は
新作物であってやはりこういうきっちりしたお役は似合う。るんや
子供、悪友下島への想いなど伝わってくる。下島を斬る時は手違い
でなく、衝動的に斬ってしまうやり方。笑也さんのるんはかわいらしく
しっかり女房に老いてからも上品なおばあさんぶり。右近さんの
下島は図太さあって面白い。猿弥さんの久右衛門など脇揃う。
「口上」は、藤十郎さんから、秀太郎さん、梅玉さんほかおもだか屋
一門が揃う。
またかと思いつつもやはり見応えある「義経千本桜・川連法眼館」。
猿之助さんの狐忠信は昨年の6月ぶりであるが、鼓となった親を慕う
心持が全面に出て、兄にも疎まれ追われる義経ほか人同士が殺し
合う中での情は人よりも獣の方が上ということを改めて知らしめるよう。
藤十郎さんの義経に秀太郎さんの静で狐と人を対比するよう。
門之助さんの駿河、右近さんの亀井そして段四郎さんが法眼で
元気な姿を見せてくれる。竹三郎さんの飛鳥で。
宙乗りも大劇場の割には、2階の手すりにぶつかるかのような
低空飛行ぶり。さよなら御園座に華を添える。
昼は栄あたりを散策しました。


3月17日(日) 三月歌舞伎公演「隅田川花御所染」
国立劇場大劇場 1階最前列 12時開演
妹桜姫の婿である松若丸を追いかける花子・出家後清玄尼の
狂おしい想い。
福助さんが叔父歌右衛門丈が復活した狂言に取り組む。
姫から出家した尼が堕落しやがては殺され霊となる清玄尼を
時には可憐に時には怪しく…福助さんでなければというお役か。
錦之助さんや翫雀さんが脇に回り、松也さんが清玄を惚れ追い
かける惣太でお父様の松助さんの小気味よさを思い出す。
どこかぎらぎらして調子いい。隼人さんが松若丸ですべての
女性が心奪われるイケメンぶり。ほか児太郎さんの桜姫や
新悟さんの腰元関屋、芝喜松さんや芝のぶさんなど若手や
脇を全面に出す。
芝居巧者は物足りなさもあるかもしれないが。
終演後は福助さん、男女蔵さん、新悟さん、児太郎さんの
アフタートークあり、ほとんど福助さんの独壇場であるが、
衣装や舞台機構、各役の役作り、脚本作りなどふれられ
短い時間ながら、興味深いエピソードばかりでした。


3月16日(月) 加藤健一事務所 「八月のラブソング」
本多劇場 上手側席 19時開演
加藤健一さんと戸田恵子さんの二人芝居。
施設に入ってきた女性とその施設の医師との交流と
喧騒、恋愛を描く。互いに戦争で愛する者を失い、心に
傷を持ちながら、理解を深めていく姿が微笑ましい。
震災で失いつつも強く生きる家族の愛にも通じるよう。
最初は厳格で硬い雰囲気の加藤さんと最初から開放的で
明るい戸田さんと終始楽しく見れた。
二人で踊るチャールストンや、戸田さんの歌やダンスも
面白かった。
筋書見たら、二代目尾上松緑さんと杉村春子さん、
黒柳徹子さんと団時朗さんとタイトルは異なるが演じられた
そうだ。


3月20日(水) 屋根の上のヴァイオリン弾き
日生劇場 2階席 17時開演
ロシアのあるユダヤ人集落で生活を営むテヴィエ一家。
ゴールデという恐妻と娘である三姉妹がいる。
その年頃の三姉妹が一人ひとりがしきたりや親の気持ちを
外に自分の気持ちで嫁いでいく。ロシアによるユダヤ人集落
迫害もあり、やがては集落を去ることになる。いつも見ている
ミュージカルとは異なる政治色や集落といったコミューンと
まじわる。
そんな重い中、市村正親さんのテヴィエが明るく強く生きる
男ぶりを見せてくれる。時折空を見上げて「神様~」と自問
自答する姿が切ない。
かつて演じた森繁久彌さんや西田敏行さんのテヴィエが
どうだったか…見ながら気になりました。
鳳蘭さんの恐妻ゴールデのおかしさと母としての愛、
水夏希さん、大塚千弘さん、吉川友さんの三姉妹も三人
三様でかわいらしくもあり、悲しくも切なくもある。
アフタートークで三姉妹と出演者の真島茂樹さんの進行で
進む。おねえキャラの真島さんで三姉妹からいろいろ聞きだす。


3月24日(日) 三月花形歌舞伎 夜の部 
新橋演舞場 三階席 16時半開演
昼は松緑さん活躍ながら、夜は染五郎さんショー的。
染五郎さん初役の「一条大蔵卿」。
清楚な染五郎さんには阿呆は似合わない感じもするが、
さすが歌舞伎界のプリンス…公家としての品のよさは感じた。
また吉右衛門さんに教えを被ったそうで、どこか播磨屋に
似ている。
芝雀さんの常盤御前、松緑さん・壱太郎さんの鬼次郎夫婦、
錦吾さんと吉弥さんの勘解由夫婦など揃う。
菊之助さんとの「二人椀久」はかつての富十郎さんと
雀右衛門さんや仁左衛門さんと玉三郎さんコンビを思い出す。
染五郎さんと菊之助さんでの踊りっぷり。幻想的であり、
松山太夫が生前の二人の愛の姿が微笑ましい。
この二人だと落語のように若旦那が遊女を愛したような
雰囲気もなるが。


3月12日(火) 映画「すーちゃんまいちゃんさわこさん」
品川プリンスシネマにて
地元・相模大野の大野銀座商店街が撮影場所で使用され
出演の柴崎コウさん、真木よう子さんが来られた。
柴崎さんとは撮影時すれ違いました。瞳大きかったですね。
漫画からの映画化。柴崎さん演じるカフェの店長として働く
すーちゃん(柴崎コウ)、キャリアウーマンに疑問を感じながら、
婚活して主婦となるまいちゃん(真木よう子)、祖母の介護で
自分の時間が取れない又、幼馴染との結婚でゆれるさわこ
さん(寺島しのぶ)の女性三人の生き方を描く。
男性にはわからない女心満載な切なくなる映画でした。
女性に対する気持ちの表し方や声かけに話し方などちょっと
反省させられました。
商店街でイタリアンレストラン開く幼馴染のお嬢さんも
エキストラで出演されていました。


3月21日(木) 映画「TOKYOてやんでい」
新宿K's cinema 18時45分上映
先日観劇した舞台の映画版。
舞台版と異なる設定もあるが、前座9年目のピカッチが
仕切る寄席楽屋風景。
原作である村木藤志郎さんは独楽回しのみながら、
相変わらずの怪演ぶりを見せてくれる。
ピカッチは劇団はえぎわのノゾエ征爾さんが淡々と飄々として
演じているのが楽しい。はえぎわの舞台も見てみたい。
彼女は有坂来瞳さん、席亭が安達祐実さんで出たがりで
あの手この手で高座に上がろうとするおかしさがある。
師匠・圓志は小松政夫さんでコント姿とは違う貫禄あるが
軽妙な可笑しさを醸し出す。雑誌記者は南沢奈央さんで
舞台版より活躍する。舞台版と同じ予備さんは伊藤克信さんで
でんでんさんも噺家役で出演で監督が好きな「のようなもの」を
連想させるらしい。わずかな出ながら、ラサール石井さん、
石井正則さん、中村昌也さん、三谷昇さん、真野響子さんと
いった芸人役も豪華。黒田福美さんがお囃子役で。
舞台版とは違う可笑しさがある。DVD出たらほしい。


3月27日(水)午前、歌舞伎座再開場記念 歌舞伎役者パレードへ。
年度末でいかないと思っていたが、知り合いが行きたいというので
雨の中見てきました。人の頭ばかりでしたが、「あっ」って言っている
間に役者がどんどん通って行きました(笑)
歌舞伎座開場もいよいよかと実感。


3月30日(土) サントリー美術館 「江戸の芝居小屋」
歌舞伎座再開場を記念しての芝居小屋のある風景の
浮世絵や屏風絵など展示されている。
やはり四条河原での出雲の阿国が踊るところから始まり、
勘三郎とある芝居小屋、歌舞伎十八番など演じられる中の
にぎわう観客の様子を描いた浮世絵や役者絵などどこかで
見たことがあるものばかりで興味深かった。
現代まで来ると六代目菊五郎丈が描いた絵などもあり
貴重なものを見た気がした。
だんだん歌舞伎座再開場が気持ちの中で高ぶってきた。

3月8日、20日に見た「怪談乳房榎」は別に書きます。

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