9月26日 秀山祭九月大歌舞伎 夜の部

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9月26日
新橋演舞場
16時45分
開演
三階席

秀山祭
九月大歌舞伎
一、猩々
二、俊寛
三、鐘が岬、
うかれ坊主
四、引窓







昼の部が長丁場だけに、夜はなんかあっという間
でした。
踊り二題、義太夫狂言二題と、重いが役者の熱演で
ホッとハッとさせられる想い。
初代吉右衛門という重厚な時代物役者の懐古的姿勢が
伝わってくるよう。

「猩々」は酒を好む海の架空生物の舞踊。
きびきびした梅玉さんと柄がかわいらしい松緑さんの
二人猩々で。
上品な芝雀さんの女酒売り。
里長さん、文五郎さんらの長唄。

「俊寛」は平家謀反で鬼界ヶ島に流された俊寛の悲劇。
何度も見ながら、流罪という名のファミリーに近い
コミューンを感じた。だから、成経と結ばれた千鳥に
“てておや”と言われる俊寛は、妻東屋が平家に殺された
のを知り帰っても楽しみがなくなった絶望と、成経ら
若い世代に未来を託すてておやの責任を果たすみたいな
雰囲気。吉右衛門さんの俊寛を見ながら、血がつながる以上の
結束や絆を感じさせられた。

仁左衛門さんの清楚な丹左衛門、渋味ある段四郎さんの瀬尾、
やや騒がしいがかわいらしい福助さんの千鳥、凛々しい染五郎
さんの成経、歌昇さんの康頼。

人間国宝二人の舞踊。
芝翫さんの「鐘が岬」。
娘道成寺のコンパクト版みたいな地唄舞。
一世一代で道成寺を舞納めた芝翫さんがコンパクトな道成寺を
踊るのが感慨深い。
またお姿が国立劇場に飾ってある吾妻徳穂さんが踊る道成寺の
絵画に似ていて最初あまりの可愛らしさに驚かされた。

富十郎さんの「うかれ坊主」は元気な頃を見ているからおみ足
不自由で痛々しい。手振りが主になるが、元気な頃より願人坊主
ぶりが増したようで逆に不思議な感覚。
昼の藤十郎さんに先の芝翫さんと小振りになりがちな舞踊を
雰囲気で見せるからすごい。

夜は「引窓」が見応えある。
代官として出世した男と、贔屓のために人殺しをしてしまった
相撲取りが異母兄弟で、それにはさまれる母親と義理と情が
十五夜に放生会に交差する。

今年は二月、七月と出ている演目だが、伸び盛りな染五郎さんの
十次兵衛と松緑さんのがっぷり四つに組んで、捕手と罪人になった
異母兄弟を、東蔵さんの母お幸を間に交差させている。

染五郎さんの十次兵衛は、町人であった与兵衛と、武士になった
十次兵衛との替わり目が軽妙で台詞も明快でにわか侍ぶりが
巧みだ。出世時や、母お幸の述懐に異母兄弟の存在を思い出す、
放生会を境に互いの想いと表情が印象的。

松緑さんの濡髮は義理ある贔屓のために人殺しをしてしまった
罪悪感が漂い又、一目母に会いたい気持ちが伝わる。
引窓でも十次兵衛やお幸への義理立てが右往左往する。
骨太な雰囲気が濡髮として似合う。
見ていてたるんでしまう前髪を剃る、縄を結ぶところは松緑さんの
だと飽きず。

東蔵さんの母お幸が二人の子にはさまれ義理と情に戸惑う姿が
痛々しく伝わってくる。
孝太郎さんのお早はやや騒々しいが廓あがりの軽妙なおかしさと、
十次兵衛とお幸そして濡髮にはさまれながら情や思いやりを見せる。
播磨屋披露の種太郎くんの勇ましい三原と、仇討ちに一途な松江さん
の平岡で。

十五夜という季節感も手伝い、花形が喜利狂言をしっかり勤めて
感情豊かに劇場を跡にできる。




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歌舞伎座の
様子。
すっかり
解体されて
しまった。

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