12月8日 平成二十一年十二月 社会人のための文楽鑑賞教室

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12月8日
国立劇場小劇場
18時半開演
13列目上手

解説
文楽の魅力
豊竹睦大夫
鶴澤清丈
吉田簔紫郎

仮名手本忠臣蔵
Bプロ

下馬先進物の段
始大夫、清志郎

殿中刃傷の段
師直 津国大夫
判官 咲甫大夫
若狭助 相子大夫
本蔵 呂茂大夫

塩冶判官切腹の段
津駒大夫、富助

城明け渡しの段
希大夫、清公

大星由良助 玉女
塩冶判官 清十郎
高師直 玉輝
加古川本蔵 清五郎
桃井若狭助 勘緑
石堂右馬丞 玉志
顔世御前 簔二郎
薬師寺次郎左衛門 簔一郎
早野勘平 玉翔
鷺坂伴内 紋臣
原郷右衛門 玉佳
大星力弥 紋秀
珍才 簔次

仇討ちの発端である忠臣蔵三段目、四段目を見せる。
歌舞伎と違い、判官が師直へ顔世の歌を持ってきたり、
師直の鮒の講釈から高笑い、進物の段での本蔵と伴内の
やりとりから籠に乗る師直のやりとりがあったり、
城明け渡しでは由良助と諸士の審議はなくてきぱきとした
潔さというのか、これから始まる物語での由良助の苦悩が
始まるというのが伝わってくる。
役者だと生々しさやくどさがあり、人形だと人形ができる
仕草の限界まで演じるように感じた。

歌舞伎での殿中刃傷では、師直が顔世への横恋慕が
叶わないことから鮒の講釈などじわじわと判官をいびるが、
文楽では鮒の講釈から、刀に手をかける判官をあしらい、
高笑いして権威を見せるようで、サラリーマンたる自分も
経験あるが、失態や失敗を笑われるというのは改めて
すごい嫌だと見ながら思った。
判官の無念や悔しさが妙に伝わり泣けてくる。
恥ずかしながら、今まで高笑いされて、判官が刃傷に及ぶ
心境がわからなかったのだが、年齢や経験からわかると
いうのは不思議な心境だった。

津駒大夫さんの切腹の段の語りがいつも高音のイメージが
あるが、低音調でじっくり聞かせる。
津国大夫さんのふてぶてしさや憎らしさに格をしっかり
見せるような師直の語りっぷりや、咲甫大夫さんの短慮な
判官の刃傷の段。
始大夫さんの瓢逸な進物の段と中堅若手が聞かせる。

師匠玉男さんの当たり役を演じる玉女さんの由良助が
静の中の動を見せるようで、由良助を遣うのがいかに
しんどいかがわかる気がした。
清十郎さんの判官が儚く、玉輝さんの師直は大きく見せるよう。

解説は真面目に堅く説明する睦大夫さん。義太夫は関西弁と
深い関わりがあるとかいう説明が印象的。
三味線を説明された清丈さんが音色で、クリスマスに片想いの
子を誘おうとする音色、催促しようと絵文字入りのメールするや
返って来ず怒り絵文字をつけてメール送る音色、返信されたと
思ったら迷惑メールだったという残念な音色と弾く。
わかりやすいがついていけない(笑)
簔紫郎さんの人形解説は、立役と女形の人形遣いを見せる。
首と右手、左遣いに足遣いと三位一体を合図で見せるのを
説明しながら演じてくれた。合図って機密じゃないのかなと
思ったり。首を白塗りにする際、貝がらを粉々にしたものを
塗ると、白くなると聞き関心した。
三人の解説を聞き、故玉男さんがしゃべる必要がない商売と
言われたように、こういう職の方は口下手が多いのかなと
思ったり…。
若手の重要な仕事であるし、懸命さは伝わってくる。

歌舞伎にはない文楽の忠臣蔵。
高笑いから刃傷に、判官の切腹から由良助の城門前の決意と
切なさに泣けました。

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